この前の日曜日(12/21)、二丈町で開催された
『 二丈町 農村おこし学校 』 第三回セミナー
に参加してきました。
(九州ぶらぶら よかろうもん!にも掲載して頂きました。)
農村での暮らしや農業実践に興味をもつ都市部若者を対象に、出会いと学びの場の創出することを目的にした取り組みで、第三回目となる今回は、外資系企業の営業マンから脱サラし、宮崎県綾町でぶどうやももの観光農園をされている杉山経昌さんに
「楽しい農業・楽しい経営・楽しい人生」
と題して、夫婦で年間労働時間3000時間、週休4日の効率的な悠々自適農業の取り組みについて、講演が行われました。
農村部の地域振興とかに興味はあるものの、自分自身が就農することまでは考えておらず、ちょっと場違いかなぁと思いつつ、参加したのですが、
とっても面白く楽しい講演でした!!
感動や楽しかった場の空間などは伝え切れませんが、
どんな話しだったか、簡単に紹介しますと・・・
・ 何故、就農したか!
サラリーマン当時、経済システムと競争社会の中で働き続ける中で、
ある時、自分の人生や時間をお金で会社に売り渡している気がした
から。もっと自分のための時間を費やそうと思った。
・ これからの農業に必要な能力とは
経営能力 ・・・ 40%
マーケティング能力 ・・・ 40%
ものづくり能力 ・・・ 20%
→ 通常、ものづくり能力がもっとも必要な能力かと思いますが、
それよりも、経営能力、マーケティング能力がより必要だととの
ことでした。その意味では、サラリーマンでの経験や考え方が
とても活かせたそうですし、50代での就農もベストだったそうです。
・ 就農する前やったこと
・コンピューターで農業経営シュミレーション。
・各品目毎に、労働生産性と労働収益性を把握
・お米はやらないと決めた。
→ 生産性は高いものの、機械代が高く収益性が低い。
→ 米をやる場合は、生産性をあげるための対策を見出すことが必要
・土地や施設の購入費、経費、生活費等をシュミレーションした結果、
農業のRONA(純資本回収率)は高い(8%)ことがわかった。
→ シュミレーションを行うメリットとして、想定通りに行かなかった
際に、何故なのかその理由を調べることができる。
→ 1、2年目はずれが生じたが、3年目からは所得税を払うまでに
なった。また、百年に一度の規模の台風の被害にあったが、その時にも
利益を出すことができ、農業が儲かることを確信した。
・ 何をつくるか!
自分が食べたいものをつくることが大切。金になるかどうかじゃない。
嫌いなものをつくっても、作物の気持ちになれない。
・ 経営戦略
小規模経営を行うなどの農業経営戦略を考えた。
→ 戦略は、戦略と戦術、目的の3点がセットであることが重要。
・ 自分の労働単価を決める
農業のおかしなこととして、自分の労働単価が考慮されていない。
農業は自分の労働単価を自分で決めることができるし、決めた労働
単価になるように、労働時間をコントロールすることが重要。
→ 必要以上に働かない。決断することが大事。余った時間は、
自分の楽しみや、クリエイティブな時間に使う。
・ 高く売る
プロダクトミックスや、栽培技術、加工技術、販売技術、レシピなど
高付加価値なものを少量販売。
・ 小規模経営における経費圧縮
日本の中山間地の小規模農地では、アメリカと違って大規模経営は不向き。
設計・購入・運用の三位一体でのコストダウンが必要。
→ 本当にほしいのは売上ではなく、利益である。
・ 農業のMOTモデル(技術経営モデル)を目指す
技術を次の人に伝えていくことが大切。
盗む、マネするよりも、80%の状態に後継者がすぐなれる形にしてある。
簡単に話しの流れだけを箇条書きにしたので、話しのすごさ、面白さを伝え切れませんが、
週休4日の悠々自適な仕事の中で、収益を上げている考え方は、
本当に求めるべきは、売上げではなく、利益という考え方
という考え方がしっかりしていること。
自分の労働単価を設定し、収益性があるかをきっちりシュミレーションして、
自分の労働時間を決め、それ以上はやらないという、無理無駄の無い
取り組みを実践されていました。
従来の農業をそのまま行うのではなく、サラリーマンの経験を活かし、経営と
マーケティングの視点、情報の活用・分析の実践、さらに、戦略・戦術・目的の
設定もされており、就農に限らず、どんな仕事をする上でも参考になります。
本も出版されていますので、
ご興味ある方は本を読んでみて下さい!
(私は、表紙の裏にサインまで頂いちゃいました!)
農で起業する!
築地書館 版
1,890円(税込)
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農!黄金のスモールビジネス
築地書館 版
1,680円(税込)