2006年09月03日

通訳案内士試験

今日、通訳案内士試験を受験しました。

通訳案内士とは、訪日した外国観光客に対し、外国語で
日本の観光案内をするための国家資格です。
( 無資格のまま、報酬を伴う通訳案内は、法律違反なんです! )
試験は、国土交通省の事務代行機関として、国際観光振興機構(JUTO)
年一回行っています。通訳案内としての資格となることから、試験は
とても難しく、昨年の合格率は、たったの11.2%(受講者数 7,043人)!

まだまだ合格できるレベルではないことはわかっているものの、
中国語を勉強する目的になると思いつつ、受けてみました。

が、難しすぎる!

午前中の語学試験が難しいのは理解できるし、
解けるようになるよう頑張ろうと思ったのだが、

午後の日本地理、日本歴史、一般常識までもが、
重箱の隅をつつくような問題ばかり。


本来、この資格に問われるべきものは、海外観光客と十分な会話ができる
語学能力と、知ってて当然なレベルの地理、歴史、一般常識に関して、
アンテナを立て、情報を得ようとする姿勢があるかないかではないだろうか?

加えるなら、旅行をより楽しいものに演出するための、
コミュニケーション能力や、エンターテーメント能力だと思う。

試験問題を考えている人が、この資格の意味、試験科目に
これらの科目が何故あるのかを理解しているかを問いたくなる。

英語以外の語学の受験者が同じフロアーで受験していたが、400人ぐらいは
いました。英語も同じぐらいいるとすれば、福岡会場だけで800人。全国の
12会場での受験者は、前年同様1万人近い人が受験したと思われる。

通訳案内士として頑張ってみたいと思っている人はたくさんいる。
行政もその人材を求めている。
訪日観光客もきっと望んでいる。
通訳案内士を育成や、就業に関するサポートをやっている組織も、
たくさんいる。(福岡にも、九州通訳ガイド協会があります。)

全国的に観光産業を育成していこうという流れの中で、
この資格試験の壁が大きな障害になっているのではないだろうか?


昨年の結果を見ると、一次試験の合格率が1割~2割なのに対して、
二次試験の口述試験は、落ちる人の方が少ない。

資格の意味を考えると、この傾向は絶対におかしい。

知識レベルの試験で、本当に就業したいと思っている人を
不用意にふるい落とすべきではないと思う。

一次の知識レベルでは、語学能力と、やる気が本当にあるのかを
確認することを基準すべきで、ガイドできるレベルであるかを問う
口述試験でふるいにかけるべきだと思う。

通訳案内士としての品質を上げたければ、地理や歴史、一般常識の重箱の隅を
問題とするのではなく、三次試験を設けて、ガイドとしての能力( 楽しませる
ことができる人か )を判断した方が、よほど日本の通訳案内士の品質は高い
ものになると思う。

会場には、中国人や、韓国人と思われる人もたくさん見受けられた。
日本人の私ですら疑問に思う、これらの試験問題は、彼ら・彼女らに取っては
もっともっと大変だろう。日本で日本の観光ガイドをやろうとする、
こちらが感謝したいほどの思いを、折角持っているのに…。

来年も受験し、ぜひ合格してみたいと思うのだが、
理不尽に感じる試験対策に、時間を要するのはとても遺憾に感じる・・・。

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Posted by よかろうもん! at 22:26│Comments(2)観光取り組み
この記事へのコメント
過去の問題を見てみたけど確かにそのとおり。
あのテストで何を見るのかいまいち理解に苦しむね。
テストではまず人間性やその人の背景のチェックなど厳しくするべき。
2,3年毎の更新も必須でしょう。 厳しくするのはその資格で悪いことをする人が出てくるのを防ぐため。 多分今の制度もそういう心配が元なんだと思うけど。
実際の知識なんかはご当地検定かなんかのテストに頼ったり、いろいろ資格を地域で分けたり、日本全国で案内が出来る資格に分けたりすればいいのに。
Posted by 豆三四郎 at 2006年09月06日 05:05
>豆三四郎さん

コメントありがとうございます。

そうなんですよね!知識じゃなくて、人間性を問うべきですよね。
思いがあって、やる気がある人をこっぱ難しい知識を問う試験で
ふるい落とすなんて・・・。

>厳しくするのはその資格で悪いことをする人が出てくるのを防ぐため

韓国では、通訳案内士の資格を持っていないガイドが、
歪曲した情報を海外観光客に伝え、問題になっているようです。

海外観光客に対して、日本を代表してガイドするわけですから、
ガイドの質をどう保つかは確かに必要なんですけど、ほんとに
育成したいなら、その後の研修や、意識教育が大切ですよね。

>いろいろ資格を地域で分けたり、

九州版も検討はしてるようです。ただ、なかなかまとまらず、
来年での施行も難しい状況だと聞いたことがあります。

これからの産業ですし、質と利便性と両方を考慮した
より良い制度になるよう期待したいですね。
Posted by よかろうもん! at 2006年09月06日 12:18
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